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令和2年8月


水力発電施設周辺地域交付金(水力交付金)

 水の季節です。私たち水力発電所所在市町村には、40年前(昭和56年)から、発電施設の存続とその地域の持続と活性化のための国から地元への交付金制度がつくられ、早川町もその対象自治体として、以来、今日までその恩恵を受けてきています。

 制度創設の背景は、我が国が高度成長期に入り、国力が高まっていく一方で、水力発電所所在市町村は、地方にあって発電施設の高度化が進む中で、自動化と無人化で就労の場がなくなり、人口の流出が始まりだし過疎化が深刻化し始めた時です。私たちの町も町制発足時は一万人以上の人口が、既にこの時は三千人を割る人口となっていました。進む高度化社会の中での益々の電力の需要の高まりと進む水力発電所所在市町村の後退の様相は、この制度発足の大きな理由だったと記憶しています。

 町ではこの交付金を有効活用してたくさんの事業を毎年進めることができました。地区公民館建設から始まり、消防機具や防火水槽、各地区水道整備、スクールバスや乗合バス購入、町道の改良や舗装等と幅広く予算立てができ毎年度約5000万円前後の事業を進めてきました。早川町にとって大事な財源でした。

 しかし、この制度は期限付きの制度で、この令和2年度が最終年度とうたわれていて、私たち関係自治体は全国で、今この制度の延長または恒久化を目指して存続運動を進めています。早川町の水力発電の歴史は、大正時代末期から訪れていて今日に至っています。大自然の豊かな早川の水は代々電源開発で利用され、今も保川で県企業局の発電所建設が始まっています。私たちは、この貴重な電力の生産地としての誇りと自信を暮らしの中に生かしていってもよいと自負するところです。水力発電所所在市町村では、地元が豊かになる地域づくりの財源としてこれからの延長をぜひ実現したいと努力しています。


令和2年8月  町長 辻󠄀 一幸

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