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力じまんの男(新倉)

 昔、新倉に大層力のある男がいて、村にはそれにかなう者は一人もいなかった。

 だからその男はいつもそれを自慢していた。その自慢はだんだんひどくなるので、村人達は一計を考え付いた。それは、熊を捕るワナの上に重い石を載せて、それを男に持ち上げさせるというのである。

「どうだ、あれが持ち上げられるか」
「なんのあれくれぇ、わけはねぇ」
とは言ったもののそのワナは、熊を捕るためのものだから、うんと太い木が使ってある上に、重い石が載せてあるのだから、何人もが一度にかかっても、到底持ち上がりそうもないものだ。だが平常の力自慢の手前、持ち上げられないとは今更言えない。

 「よしッ」と言ってワナを両手で持ち上げようとしたが、びくともしない。更に力をこめてやってみたが、動かばこそ、うん、うーんと何度もやっているうちに、力を出し切った途端、発作をおこしたものか、ぐずぐずんとなり、そのまま息が絶えてしまった。

 その知らせが、その男の家に届いた時、その男のおばあさんは、「あれは今朝、味噌汁を飲まなんだな、それが力が出なんどうだ」と残念そうに呟いたそうで、新倉では味噌汁の嫌いな子供があると、年寄がこの話をして聞かせたという。

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